「会社役員をしています。私は失業保険をもらえるでしょうか?」
役員本人の方から聞かれて、びっくりしたことがあります。

しかし、会社員と役員の違いをはっきりと把握されている方は確かに少ないので、
無理もないかも知れません。

結論から出しますが、役員は、失業保険の受給対象ではありません。

と、これだけ書くと差別のようですが、きちんと理由があります。

役員というのは経営者側として扱われるからです。

もともと失業保険は、会社を辞めた社員が再就職するまでに
求職活動に専念するために支給されます。

つまり、勤め人である社員のための制度ですから、
経営側である役員はその恩恵にあずかることはできないという結論に至るのです。

そもそも、役員は雇用保険料の負担がありません。
保険料を負担していないので、対象外になるのは当たり前のことです。

しかし、例外もあります。

つまり、「雇用保険に加入」して「失業保険を受給する」役員が存在します。

それはどういう場合かといいますと、
「従業員的な性質をもつ役員」
のケースです。

従業員的な性質をもつ役員というのは変な表現ですが、
一言でいってしまうと「肩書きは役員でも、待遇は従業員的である」
という意味です。

役員はもともと、仕事の進め方などに強い権限を持たされています。

業務スケジュールの決定権や、休日を取るのに上司の承諾を得る必要がなかったり、
正社員を採用する決定権を持っていたりといった具合です。

さて、この基準で世の中の役員を見てみましょう。
このような強い権限を持たされている人ばかりではありません。

むしろ、肩書きは役員だけど社員とほとんど同程度の権限どまりということも珍しくありません。

こうした「役員」であれば、退職後に失業保険を受給できます。

失業保険をもらえる役員は「例外的」と書きましたが、それはあくまで法律を解釈した場合です。
現実的にはもらえる場合の方が多いでしょう。
それだけ、肩書きだけ役員の割合が高いのです。
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