「失業保険と雇用保険は別物ですか?」
このような疑問を持たれる方がいらっしゃいます。

実は違います。

失業保険という制度は、すでに日本には存在しません。

「はい?会社を辞めた後、ハローワークから振り込まれるあのお金は何なのですか?」

一般的には、そのお金が失業保険と呼ばれます。
しかし、「雇用保険の失業等給付」内の「基本手当」が正式な名称となります。

「基本手当」となっていますから、それ以外の給付もあります。

名前だけをざっと書いていくと、「就職促進給付」「教育訓練給付」「雇用継続給付」
といった具合です。

しかし、いきなり「雇用保険の失業等給付の基本手当」
などと言われても、ピンとくる人の方が少ないでしょう。

失業保険、といわれた方が理解しやすいはずです。

なぜ、正式な用語でもないのに皆さん、間違って覚えてしまっているのでしょうか?

実は、失業保険というのは昔は正式名称でした。
法改正によって名称が変わったのですが、そんなこと、制度を利用する人はいちいちチェックしません。

このため、昔の名前がそのまま使われていて、
しかもその方が伝わりやすいという状況ができてしまっているのです。

こういった「知識のアップデート」をすり抜けてしまっている用語というのは結構多いです。

例えば、「禁治産者」と書く人はまだまだ多いのですが、この禁治産者制度も平成16年に廃止。
今では「成年後見人制度」に改められています。

しかし、昔「禁治産者」で覚えた人は、未だに禁治産者という用語を使います。

知識のアップデートなど必要に迫られない限り行いませんから、こうしたことは頻繁に起こっています。

ちなみに、当サイトでも、一般になじみが深い「失業保険」の名称を、
「雇用保険の失業等給付の基本手当」の意味で使っています。

本当は正確な用語を用いた方がよいのでしょうが、
専門用語を得意になって駆使して、「結局さっぱり伝わらない」のでは本末転倒だと考えているからです。
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