定年退職をしたら、失業保険はもらえないものと思い込んで、ハローワークに足を運ぶことすらしない方も少なくありません。

しかし、一度でもハローワークに出かけて観察してみれば、すでに定年を迎えた方が大勢、手続きや職探しに来られていることが分かります。

確かに、失業保険をもらうには、「働く意思があって」「いつでも働ける状態にある」必要があります。

しかし、逆にいうとこの条件さえ満たしていればいいのです。
つまり、定年退職したからといって失業保険がもらえないという図式は成り立ちません。

前職を定年退職したからといって、違う会社で働き始めることは十分可能だからです。

このような背景から、定年退職者であっても失業保険の受給は可能になっています。

また、自己都合退職した場合に課される3ヶ月の受給制限期間もなく、退職の翌月から支給してもらえます。

これは、年齢という自分ではどうにもならない理由で退職しているため、「自分の意思で辞めた自己都合退職と同等に扱うのは理不尽である」という国の判断によるものです。

結構、優遇されているのです。

一方、ちょっと待遇が悪くなっている点もあります。

会社都合退職の場合、雇用保険加入期間が20年以上で60歳未満なら、失業保険を330日ももらえていました。

しかし、これが60歳を超えてからの退職だと、240日に減らされてしまいます。

失業保険が1日5,000円だと仮定すると(実際にはもっとあるでしょう)、45万円ものもらい損ないになってしまいます。

このように、定年退職後の失業保険には良い点悪い点の両面が存在します。

しかし、最悪の選択は「初めからもらえないものと思い込んで何もしない」ことです。

数十万円(人によっては100万円単位になります)という大損になりますので、思い込みで行動にブレーキをかけることがないよう、注意してください。
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