以前の記事で、日本の実質的な失業率は、
一般に考えられているよりもはるかに高いということを書きました。

参照記事:
日本の失業率は10%超?

理由は、日本では「月の最後の1週間に、1時間でも働いたら失業者としてカウントされない」
からでした。

この基準によって、失業率は下方向への圧力がかかっています。

失業保険だけでは生活費が足りないという理由で短期アルバイトを入れているだけの人が、
失業保険をもらっているにも関わらず失業者とはみなされないからです。

それ以外にも、日本の失業率を下方向にもっていく圧力があります。

俗に「社内失業者」と呼ばれる層です。

雇用調整助成金という制度があります。
これは、解雇を避けて休職させた社員がいる会社に対して、
お給料の一部を国が補填する制度です。

この制度を利用している会社は、いわば社員に給料を支払えなくなった状態です。

そういう会社には、
「仕事はない。しかし、国からの雇用調整助成金があるので会社勤めを続けていられる」
という人たちが沢山おられます。

週刊誌などでは、センセーショナルな見出しをつけるためこうした社員を
「ゾンビ」などと揶揄することもあります。
(もちろん、仕事がないのは本人たちだけに責任があるわけではありません)

さて、この社内失業者、どのくらいの数が存在するのでしょうか?

600万人です。
失業者の3倍の数が存在します。

これは、雇用調整助成金の受給者数から算出された数値ですので、
極めて実態に近い数といえます。

つまり、社内失業者と完全失業者を合計すると失業率20%。

しかも、少し働けば失業者から外れますから、失業者の実数はもっと多いはずです。

「働いているといっても、生活の足しにアルバイトをしているだけ。メインの収入は失業保険」
という人を含めれば20%よりもかなり高い数値が出ることは間違いありません。

日本の失業率5%というのは、「実質的に失業状態の人を会社に置いておく」
ことで成り立っているともいえるのです。
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