失業保険の不正受給。

これは、詐欺罪に該当するでしょうか?
言い換えると、「逮捕される」「前科者になる」のでしょうか?

履歴書の「賞罰」の欄に罰を書かなければならないのでしょうか?

一口に失業保険の不正受給といっても、その悪質性にはかなりの差があります。

一般的には、
「不正受給をしても、詐欺罪で逮捕され、前科がつく可能性はほとんどない」
でしょう。

これを話すと、多くの方が意外という反応をします。
失業保険の説明会で「不正受給は詐欺罪になる」と釘を刺されますから無理もありません。

なぜ逮捕される可能性がほとんどないかというと、
詐欺罪というのはとても成立しにくいからです。

詐欺罪は、「金品をだまし取るつもりだった」意思を捕まえた側が証明しなければなりません。

しかし、この証明が困難なのです。

だまし取る意思があった・なかったというのは人の頭の中ですので、
本人以外、真実は分からないのです。

詐欺師の中には病的な嘘つきがいて、自分がウソをついている自覚すらない人もいます。

一般的に起きる不正受給は、次のパターンが多いでしょう。
「再就職後、ハローワークに報告するのを怠っていて、失業保険をもらった」
「アルバイトしたことをハローワークにかくして失業保険を受給した」

この場合は、だまし取るつもりだったと証明するのは困難です。

「忘れていた」「うっかりしていた」
と言い張られたら、それを覆すのは簡単ではありません。

余談ですが、詐欺は100件警察に被害相談が持ち込まれて、
起訴されるのは2、3件と聞いたことがあります。

それだけ、「だまし取る意思があった」ことの証明は難しいのです。

これらの理由から、不正受給が明るみに出ても、警察に連れて行かれることはほぼありません。

しかし、だからといって不正受給はやってもOKなどと結論づけるのは軽率過ぎます。
ハローワークから「失業保険の3倍返し」を命じられる可能性は非常に高いからです。

詐欺罪にならないというだけで、高い代償を払うはめになることに変わりはありません。
「不正受給をやっても、逮捕されないからやっても構わない」
などと考えると、ロクなことになりません。

失業保険の不正受給で逮捕されている事例は、
ダミー会社を用意して解雇を装うなど、「完全に計画的」
である場合がほとんどです。

こういったケースは、ダミー会社などだまし取るための道具を周到に用意しているわけで、
「忘れていた」などという弁解は不可能です。
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