前回、ハローワークの求人に年間8,000件近い苦情が寄せられていると書きました。

もっともよくある苦情内容が「求人票と、実際の募集職種や労働条件が違う」というものです。

求人票よりも提示された給料が低いなどというのは、序の口です。

・正社員の募集ということで応募したら、面接の場で契約社員と言われた
・社会保険完備のはずが、入社してみたら全くないことが判明した

これらは、ハローワークが解説した求人ホットラインのウェブサイトに掲載された実際にあった事例です。

良い条件の求人票で人を集めて、実際はそれよりもはるかに悪い労働条件で働かせる。

本当に恐ろしい話ですが、実はこれ、違法性がないと言ったら驚かれるでしょうか。

実は、企業は求人票の労働条件を守る義務はないのです。

守る義務があるのは、「採用時に提示した労働条件」です。

分かりやすいよう、流れで見てみましょう。


求人票 → 面接 → 労働条件提示 → 採用
              ↑
           これを守る義務がある


つまり、求人票を見て応募してきた人に違う職種を案内したり、正社員を希望して応募してきた人に契約社員の仕事を提示することも違法ではないのです。

守らなければ問題になるのは、採用時の労働条件をひっくり返した場合だけですから。

「なぜ、ハローワークはこんな求人を放置しているのか」
という批判は多いのですが、違法ではない以上、強硬手段で是正することができないというのがその理由です。

個人的には、とっとと違法にするべきだと思いますが。

悪い会社は、これを利用して「おいしそうな条件」を提示して実際は劣悪な労働条件で働かせるということを常習的に行っています。

ある程度、話しを進めてしまうとそのまま流れで断りにくくなるということをうまく利用しているのです。

採用段階からこういったマネをする会社は、社員を大切にするなどという気は一切ありません。

話が違うと感じたら、どんなに惜しいと感じても話を打ち切って断るのが安全です。
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