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鈴木 一郎社会保険労務士・1級FP

窓口でもメールでも、いちばん多くいただく質問がこれです。「私、そもそももらえるんでしょうか」。

答えは2つの要素で決まります。雇用保険に入っていた期間と、辞めた理由。この記事では前者を中心に、受給資格の判定ルールを正確に説明します。読み終わる頃には、ご自身が「12か月要件」と「6か月要件」のどちらで判定されるのか、判断がつくようになっているはずです。

原則ルール:離職前2年間に12か月

一般の離職者――ざっくり言えば、特別な事情のない自己都合退職の方――は、離職の日からさかのぼって2年の間に、被保険者期間が通算12か月以上あることが条件です。

ここで注意したいのが「被保険者期間1か月」の数え方です。単に在籍していた月ではなく、賃金の支払い基礎になった日数が11日以上ある月だけをカウントします。ですから、長期休職していた方は、在籍年数は長くても被保険者期間が足りない、ということが起こり得ます。休職明けの退職を考えている方は、離職票が届いたら「⑨欄」の被保険者期間を必ず確認してください。

例外ルール:6か月に緩和される人

次のどちらかに当てはまる方は、条件が「離職前1年間に通算6か月以上」まで緩和されます。

つまり、入社して半年ちょっとで退職した方でも、事情によっては受給できるということです。以前、入社8か月でメンタルを崩して退職された20代の方から「1年働いてないので無理ですよね」と相談を受けたことがありますが、特定理由離職者に該当し、無事に受給できました。自己判断で諦めるのが一番もったいないパターンです。

転職を挟んでいても「通算」できる

被保険者期間は1社ごとにリセットされるわけではありません。次の2条件を満たせば、前職の期間と合算できます。

たとえば「前の会社に8か月 → 2か月の空白 → 今の会社に5か月」なら、通算13か月。原則の12か月要件をクリアします。逆に、前職の退職時に失業保険を受給してしまった場合、そこでカウントはリセットされ、今の会社の期間だけで判定されます。

受給できない・注意が必要なパターン

形式的には条件を満たしていても、受給に至らないケースがいくつかあります。代表的なものを挙げておきます。

まず、すでに次の就職先が決まっている方。失業保険は「失業状態」への給付なので、転職先が内定している方は対象外です(この場合、条件次第で再就職手当の話になります)。次に、病気やけがですぐ働けない方。前述のとおり、受給期間延長で権利を保全しつつ、傷病手当金を先に検討するのが定石です。それから、開業届を出して個人事業を始めた方も原則対象外になります。フリーランス転向を考えている方は、届出のタイミングを決める前に一度ご相談ください。

最後にもうひとつ。「うちの会社、雇用保険に入れてくれてなかった」という方。週20時間以上働いていたなら本来は会社の加入義務違反で、2年までさかのぼって加入できる可能性があります。給与明細に雇用保険料の控除があるかどうか、まず確認を。控除されていた形跡があれば、2年を超えるさかのぼりが認められる場合もあります。ハローワークの窓口で相談すれば、会社への確認も含めて対応してもらえます。