「パートだったので、失業保険なんて関係ないと思ってました」――こう言って驚かれる相談者の方が、本当に多いのです。
はっきり書きます。失業保険の受給資格に、正社員かどうかは関係ありません。見るべきポイントは「雇用保険に入っていたか」、それだけです。そして雇用保険の加入条件は、雇用形態を問わず次の2つです。
- 週の所定労働時間が20時間以上
- 31日以上雇用される見込みがある
週4日×6時間のパートなら週24時間で対象。フルタイムの派遣も契約社員も当然対象です。給与明細を見て、「雇用保険料」の控除が数百円でもあれば加入しています。まずここを確認してください。
会社が加入手続きをしていなかったら
条件を満たしているのに加入させていないのは、会社側の義務違反です。この場合、泣き寝入りする必要はなく、原則2年間さかのぼって加入できます。さらに、給与から雇用保険料が引かれていた形跡があるのに未加入だった場合は、2年を超えるさかのぼりも認められます。
手続きはハローワークへの相談から始まります。本人からの申し出でも動いてくれますし、会社への事実確認もハローワーク経由で行われるので、直接会社とやり合う必要はありません。「未加入だったから諦める」は、選択肢として最後の最後です。
雇い止めは「自己都合」ではない
非正規の方の相談で、私が必ず確認するのがここです。契約社員や派遣社員の方が、契約更新を希望していたのに更新されなかった――いわゆる雇い止めのケース。これは自分から辞めたわけではありませんから、一般の自己都合とは扱いが違います。
本人が更新を希望していた場合、特定理由離職者(状況によっては特定受給資格者)に区分され、給付制限なし・受給資格も6か月要件でOKという大きなアドバンテージがあります。ところが実務では、離職票の離職理由欄が「契約期間満了による退職」とだけ書かれ、あたかも円満な自己都合のように処理されていることがある。更新を希望していた事実(更新希望を伝えたメール、面談記録など)があれば、ハローワークでその旨をきちんと申告してください。
派遣の方は、契約終了後に派遣元が次の仕事を紹介するかどうかで扱いが変わる、というややこしさもあります。おおむね1か月待っても具体的な紹介がなければ、離職票の発行を求めてよいタイミングです。
金額のリアルな目安
非正規で給与が低めだった方には、少し明るい話があります。給付率は給与が低い人ほど高く(最大80%)設定されているのです。月収14万円のパートの方なら日額はおよそ3,700円。90日で約33万円になります。月収22万円の派遣の方なら90日で約48万円。雇い止めで日数が延びれば、さらに増えます。
決して「もらっても雀の涙」ではありません。次の仕事を焦って条件の悪いところに飛び込む前に、この制度でひと呼吸つく価値は十分にあります。
ひとつだけ注意:受給中の働き方
受給が始まったあと、生活費の足しにアルバイトをすること自体は認められています。ただし週20時間を超える働き方を続けると「就職した」とみなされ、支給が止まります。加入条件の20時間が、今度は逆向きの壁として現れるわけです。受給とアルバイトの両立を考えている方は、申告ルールとあわせて「受給中のアルバイト」の記事も読んでおいてください。