※ ご本人の同意を得たうえで、個人が特定されない範囲で内容を再構成しています。金額・期間は当時の状況に基づくもので、同じ結果を保証するものではありません。
ご相談時の状況
T.K様、38歳。都内で法人営業を9年、月収は残業代込みで32万円ほど。初回の相談で開口一番おっしゃったのは「もう決めたんです。来月末で辞めます」でした。
数字のノルマと慢性的な残業。ここ3か月は眠りが浅く、食欲も落ちている。それでも病院には行っていない。「病院に行くほどではない気がして」――この台詞、相談の現場では本当によく聞きます。
そのまま辞めていたら、どうなっていたか
ご本人の想定どおりに退職届を出していた場合の見立ては、自己都合退職・給付制限1か月・給付日数90日。日額約6,100円として、受給総額は約55万円でした。これでも小さな額ではありませんが、ヒアリングで見えてきた事実は、別のルートを指していました。
- 直近3か月の残業は毎月50時間前後(給与明細に印字あり)
- 不眠・動悸・食欲不振が3か月継続。ただし未受診
- 退職の本当の理由は「体がもたない」こと
退職前にやってもらった3つのこと
1つ目、心療内科の受診。相談の翌週に予約を取ってもらいました。診断は抑うつ状態。「就労の継続は困難」という主治医の所見が付きました。体調を理由とする退職を客観的に裏付ける、最初の柱です。
2つ目、休み方の設計。残っていた有給休暇と欠勤を組み合わせ、在職中に「労務不能で連続3日以上」の状態を作りました。これで健康保険の傷病手当金を、退職後も継続受給できる入口が整います。退職日は出勤しないことも徹底してもらいました。
3つ目、失業保険の凍結。退職後すみやかに受給期間延長を申請し、失業保険の権利を保全。まずは治療に専念する体制にしました。
結果
- 傷病手当金:月額約21万円 × 約9か月(回復まで)= 約190万円
- 失業保険:回復後に延長を解除。体調不良による離職として特定理由離職者に認定され、給付制限なしで受給開始。約6,100円 × 90日 = 約55万円
- 合計:約240万円(当初見込みの4倍強)
あわせて国民健康保険の軽減と国民年金の免除も申請し、支出側も年間20万円以上軽くなっています。
ご本人の言葉
「『辞める前に、まず病院に行きましょう』の一言がなかったら、55万円で終わっていました。療養中にお金の心配をしなくてよかったのが、回復には一番効いた気がします。いまは前より条件のいい会社で働けています」
担当より
この事例の分かれ目は、能力でも運でもなく「退職前に相談に来たこと」でした。退職の意思が固まった段階なら、まだ全部の選択肢が机に乗っています。逆に退職後では、①の受診記録も②の待期完成も、もう作れません。同じ状況の方は、退職届を書く前に、まず無料診断で受給の可能性だけでも確かめてみてください。